日本大学芸術学部の総合型選抜や推薦入試を目指している受験生にとって、9月は非常に重要な時期です。なぜなら、出願や実技試験の日程が目前に迫っており、これまで積み上げてきた準備を「合格につながる形」に整える最後のチャンスだからです。
この時期にやるべきことは、大きく分けて2つあります。
基礎力を最終確認すること
発声・滑舌・姿勢・呼吸といった演技の基本を徹底的にチェックし、「できるつもり」ではなく「安定してできる」状態に仕上げます。
本番力を高めること
模擬演習や面接練習を繰り返し、試験の流れを体に覚え込ませること。本番の緊張感の中でも安定して表現できるようにすることが、9月最大の課題です。
合格者に共通しているのは、9月以降に急に新しいことへ手を広げない という点です。
その代わりに、模擬試験や本番想定の練習を通して「本番力を高めること」に集中し、限られた時間を最大限に活かしています。
日本大学芸術学部の総合型選抜や推薦入試では、単なる技術力だけではなく
「表現者としての個性」
「芸術に向き合う姿勢」
それらが重視されます
そのため、実技試験は受験生の潜在的な表現力や感受性を見極めるために構成されています。
総合型選抜の実技では、朗読や即興表現といった課題が中心となり、同時にコミュニケーション能力も見られていると思ってください。
こで評価されるのは、正確な発声や演技技術そのものよりも、課題に対して自分なりの解釈をどう表現できるか という点です。
審査員は「技術の完成度」よりも「素直さ」「独創性」「伝える力」に注目します。
推薦入試の場合、課題演技や朗読のほかに、面接や質疑応答を通して「人間性」や「将来性」を評価される傾向があります。
特に演技を学ぶ上での姿勢や、舞台芸術に対する意欲、継続力が試されます。
また、推薦入試では「基礎力の確かさ」も見られるため、発声・滑舌・身体表現の基礎がしっかりしているかどうかが合否を分けるポイントになります。
どちらの入試においても、合否を大きく左右するのは 表現力と一貫性 です。
表現力とは、自分の声・身体・感情を使って相手に何かを伝える力。
一貫性とは、その表現が演技全体を通してぶれずに持続できることです。
つまり「派手に見せること」や「技巧を詰め込むこと」ではなく、自分らしい表現を安定して発揮できるかどうか が評価されるのです。
9月の実技対策で最初に取り組むべきは、演技の土台となる「基礎力」の確認です。
基礎が安定していなければ、せっかくの表現力も試験本番では伝わりにくくなります。
ここでは、自宅でできる基本チェックのポイントと、オンライン演技指導の活用方法をまとめます。
腹式呼吸の安定
声が浅いと緊張したときに震えやすくなります。立った状態で深く息を吸い、下腹を支えにして声を出す練習を毎日行いましょう。
声の響き
録音して確認すると、自分の声がどのように聞こえているか客観的に把握できます。声が通りにくいと感じたら、口の開け方や共鳴位置を工夫してください。
基本練習(外郎売など)
有名な練習教材である外郎売は、早口で正確に言うよりも「一音一音を丁寧に届ける」意識が大切です。
短文で確認
毎日同じ文章を決めて声に出すと、滑舌の改善が進みやすくなります。
ニュートラルな姿勢
肩に力が入ると声も固くなります。鏡の前で立ち姿を確認し、首・肩・腰の位置を整えましょう。
柔軟性
即興表現や身体表現では柔らかさが求められます。軽いストレッチを取り入れて、動きの幅を広げてください。
基礎練習は「自己流」で満足してしまいやすいため、録音や録画で客観的に確認することが欠かせません。さらに有効なのが、オンライン演技指導の活用です。
画面越しでも声の響きや滑舌、表情を講師にチェックしてもらえる
自宅で受講できるため、反復練習とフィードバックのサイクルを作りやすい
自分の録画とプロの指摘を照らし合わせることで、改善点がより明確になる
このようにオンライン環境を組み合わせれば、効率よく基礎力を強化することが可能です。
基礎力を確認したら、次に大切なのは「課題への具体的な取り組み方」です。
日本大学芸術学部の実技試験では、朗読や即興表現といった課題が出題されることが多く、いかに自分らしい表現を試験官に届けられるかが合否を分けます。
正確さより伝達力
文字をなぞるように読むのではなく、情景や感情を想像しながら声に乗せて届けることが大切です。
間の取り方を工夫
言葉と言葉の間に「呼吸」や「余白」を作ると、表現に奥行きが生まれます。
録音とオンライン指導の活用
自分では感情を込めているつもりでも、聞き手には伝わらないことがあります。録音を確認したり、オンラインで講師に聴いてもらうと改善点がすぐにわかります。
瞬発力よりも一貫性
即興では「面白さ」や「奇抜さ」に走るのではなく、最初に選んだ設定や感情を最後まで一貫して表現できるかが重要です。
日常生活から材料を集める
身近な出来事や感情を題材にすると、自然で説得力のある表現につながります。
オンラインでの練習
画面越しで即興練習をすると、相手の反応を読み取りながら表現を調整する力が鍛えられます。これは本番の緊張感にも似ており、非常に効果的です。
受験生が陥りやすいのが「目立つために大げさに表現する」こと。
しかし、審査員が求めているのは誇張ではなく、自然で誠実な表現です。
大きな声や派手な動きに頼るのではなく、「伝えたい内容に沿った表現」を選ぶことが合格への近道となります。
基礎力を整え、課題への取り組みを深めたら、最後に必要なのは「本番力」を鍛えることです。
どんなに練習を積んでも、本番で力を出し切れなければ合格にはつながりません。
本番力とは、緊張の中でも安定して自分らしい表現を発揮できる力のことです。
時間を計って通す練習
実際の試験と同じ条件で練習することで、流れや時間感覚を体に染み込ませます。
他者に見てもらう
家族や友人、オンラインの講師に模擬試験を見てもらうことで、客観的なフィードバックが得られます。
深呼吸でリセット
本番直前に腹式呼吸を数回繰り返すだけで、余計な力みを取ることができます。
声を安定させる呼吸リズム
セリフや朗読を始める前に一呼吸置くことで、落ち着いた声が出やすくなります。
言葉の内容より「伝え方」
面接では受け答えの正解を探す必要はありません。
自分の考えを「誠実に伝える」ことが評価につながります。
視線と表情を意識する
答えるときに相手をしっかり見て、表情を柔らかくするだけで、印象が大きく変わります。
オンライン練習の効果
画面越しの面接練習をしておくと、相手にどう映っているかを具体的に確認でき、実際の試験でも安心して臨めます。
本番力を鍛える最大のポイントは「場慣れ」です。模擬試験やオンラインでの実践練習を繰り返し、試験そのものを"日常化"することで、緊張を味方につけられるようになります。
実技試験に向けた練習を重ねる中で、多くの受験生が直面するのは「気持ちの波」です。
調子が良い日もあれば、思うように表現できずに落ち込む日もあります。
しかし、合格に近づく受験生に共通しているのは、結果に一喜一憂せず、心の状態を安定させる工夫をしている点です。
新しいことを増やさない
直前期に焦って新しい課題に取り組むと、かえって基礎が崩れることがあります。
9月以降は「これまでの練習を仕上げること」に集中しましょう。
一日の中に短時間練習を組み込む
長時間練習よりも、毎日少しずつ継続する方が効果的です。
特に発声や滑舌は"日課"にすることが大切です。
目標を細かく設定する
「今日は外郎売を滑らかに読む」「朗読で声の抑揚を工夫する」など、小さな目標を立てて達成感を積み重ねることでやる気が持続します。
仲間や講師とつながる
オンラインで同じ志望者やコーチと練習を共有することで、孤独感を減らしモチベーションを保てます。
生活リズムを整える
本番は午前中に行われることが多いため、朝型の生活に切り替えておくと試験当日も実力を発揮しやすくなります。
声を出す習慣を持つ
毎日短時間でも声を出すことを習慣化すると、試験本番でも自然に声が通ります。
心をリセットする時間を確保する
散歩や音楽など、自分なりのリフレッシュ法を持つことが心の安定につながります。
日本大学芸術学部の総合型選抜・推薦入試において、9月は実技対策のラストスパートとなる時期です。
ここまででお伝えしてきたように、合格への最短ルートは以下の3つに集約されます。
基礎力の最終確認
発声・滑舌・姿勢・呼吸を安定させ、どんな状況でも土台が崩れないように整える。
課題への取り組み方を磨く
朗読・即興表現で「やりすぎない自然さ」を意識し、自分らしい表現を形にする。
本番力を高める
模擬試験やオンライン練習で実戦感覚を積み重ね、緊張を味方にできる状態を作る。
そして、この流れを9月から実践することで、試験直前の自分に自信を持って臨むことができます。
さらに、スタジオでは 年末年始にかけての集中受験対策プログラム を実施しています。
直前期に向けた総仕上げの実技練習
模擬試験形式の演習で「場慣れ」を徹底
面接・質疑応答の徹底シミュレーション
9月から基礎を固めておくことで、この集中対策で飛躍的な伸びが期待できます。
合格に必要なのは「新しいことに手を広げること」ではなく、今ある力を確実に表現につなげることです。
9月の過ごし方が、その後の受験生活を大きく左右します。
自分を信じ、計画的に取り組んでいきましょう。
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