演技経験の少ない受験生、役者の卵の皆さんでも、そのまま練習に使える実践内容になっています。
セリフの"読解力"を高める基礎ステップ
セリフ読解とは、文字を読むことではなく"意図を見抜く"こと。 ここが理解できると、表現が自然に立ち上がります。
① 誰に向かって話しているのかを特定する
人は相手によって声の色も態度も変わります。 試験(オーディション)で評価されるのは、この"相手のイメージの具体性"です。
・友人?
・家族?
・恋人?
・初対面?
・尊敬する人?
・恐れている相手?
もしかしたら、記憶の中の人だったり、登場していない電話相手だったり。
相手が固まれば、セリフは一気に生き始めます。
② セリフの前後で、状況がどう変わっているかを読む
感情表現は「理由」があると評価が上がります。 セリフの直前・直後に何が起きているかを文章から拾いましょう。
・怒り→諦め
・戸惑い→決意
・不安→挑戦
この変化を掴むだけで、演技の質が大きく上がります。
他者との関係性の変化がシーンの過程で起こっています。
そこを探りましょう。
③ そのセリフで"何を達成したいのか"を決める
演技ではこれを "目的(ターゲット)" と呼びます。 目的が曖昧だと、声だけ大きい演技になりがちです。
例:
・謝りたい
・説得したい
・励ましたい
・距離を縮めたい
・突き放したい
同じ言葉でも"目的"が違えば演技はまったく別物になります。
台詞を言う時には、「達成したい目的}があるのです。
その目的のために声を出すという行動をしてください。
セリフ表現を上手くするための実践ステップ
ここからは受験生、演技初心者の皆さんが最も伸びやすい練習法です。スタジオのクラスでは具体的に短いセリフを使ってお稽古しています。
皆さんも、実際の短いセリフで以下の手順でレッスンしてみてください。
① まず"普通に読む"
最初から演技せず、感情を乗せず、淡々と読みます。 これは「セリフの構造を正確に掴むため」の準備です。
プロの稽古でもよく使われる方法です。
例)
A:明日は暇?
B:明日は早番なので...午後には出ますけど
A:そうだったね、風邪流行ってるよね
B:流行ってますよね 風邪
A:田中さん風邪ひいたって連絡来たよ
B:店長もお気をつけて お疲れ様
A:行かないでよ
② キーとなるキーワードを見つける
文章には必ず"要"になる語があります。 そこに軽くアクセントを置くと、セリフが整理されます。
例:
「行かないでよ!」
→ 焦点語は「行かない」「よ」
焦点が決まると、無駄な感情表現がなくなります。
例)
A:明日は暇?
B:明日は早番なので...午後には出ますけど
A:そうだったね、風邪流行ってるよね
B:流行ってますよね 風邪
A:田中さん風邪ひいたって連絡来たよ
B:店長もお気をつけて お疲れ様
A:行かないでよ
③ 声より"意図"を優先して読む 動機を探そう
声量や感情表現より、"何を伝えたいのか"を軸にします。
目的に沿って読んでいけば、自動的に表現が整理されます。
どうしてこのセリフを言うのか?その動機を探る癖をつけていきましょう。
例)
A:明日は暇?
B:明日は早番なので...午後には出ますけど
A:そうだったね、風邪流行ってるよね
B:流行ってますよね 風邪
A:田中さん風邪ひいたって連絡来たよ
B:店長もお気をつけて お疲れ様
A:行かないでよ
店長さんは、明日のバイトの田中さんがお休みなので、Bさんにお店に入って欲しいと実は思っています。Bさんは、バイトしたくないと思っています。
台詞の裏を考えて読んでみましょう。
④ 動きをつけずに、表現だけを磨く
受験では大げさな動きは減点されることもあります。 まずは、顔と声の精度だけで勝負できる状態に仕上げます。
そこに余白を作れると、審査員の目に「技術」が見えるようになります。
受験本番で評価を上げる"最終チェック"
試験(オーディション)直前は細かい修正は不要です。 むしろ「やりすぎ」を削る方が得点が安定します。
緊張対策も併せて行うと更に実力が出せて高評価につながります。
緊張型の皆さんは、その対策もしていきましょう。
① 読解の軸がブレていないか
相手/目的/状況変化 受験やオーディションであれば、この3つだけ確認すれば十分です。
誰に向かって、どのような目的があって、その行動をとっているのか?
状況は、どのように変わっていくのか?
ぶれない様に的を絞りましょう。
② テンションの急上昇・急下降を避ける
審査員は「コントロールできる俳優か」を見ています。 大きすぎる感情は評価を下げる可能性があります。
オーバーすぎる動きや声の抑揚に注意しましょう。
気持ちが大きく動くならば、そのトリガーポイントを手寧に把握しましょう。
③ 最後の一言は"丁寧に"
声の雑さ・焦り・言い切りすぎはマイナス評価になりがちです。 どんなセリフでも、最後の一言の質が全体の印象を決めます。
最後の一語まで気持ちを乗せる習慣をつけましょう。
まとめ:読解力がつけば、演技は自然に上手くなる
セリフの読解力と表現力は、演技受験(オーディション)の核心です。 読解ができれば、無理に感情を作らなくても、言葉が自然に立ち上がります。
受験生は、
・相手
・目的
・状況変化
この3つだけ押さえれば、評価が劇的に上がります。
このステップを毎日5分だけでも練習すれば、演技力は必ず伸びます。
受験に向けて、自分のセリフと向き合う時間をぜひ作ってみてください。