この記事では、プロの演技指導の視点から、小学生でも楽しみながら取り組める感情トレーニング法をご紹介します。
「泣かなきゃいけない」「怒らなきゃいけない」と思うほど、演技が固まってしまいます。
子どもは「上手にやる」ことよりも「遊びの感覚でやる」ほうが、感情が自然に表れやすいのです。
上手い、下手といった方向、出来た出来ないといった内容でレッスンを捉えないことも大事です。
レッスンの結果ではなく、過程をほめてあげてください。
出来なかった時に、周囲の反応はとても気になるものです。
やる気がなくならない様に、お子さんの気持ちに寄り添ってあげることも、感情を出す手助けになります。
学校生活では「泣いちゃダメ」「怒っちゃダメ」と言われることが多く、表現の筋肉が弱まってしまいます。
レッスンでは「泣いてもいい」「怒ってもいい」という安心感が重要です。
演技は上手に嘘をついているのだから、安心してルールの中で【上手な嘘】をついていいんだよと話したりしています。
子供たちは、大人が思う以上に【我慢】いsている瞬間があるとつくづく感じることが度々あります。
ただ読むのではなく、嬉しい声・悲しい声・怒った声など感情を切り替えて表現してみましょう。
お気に入りのキャラクターになりきると、子どもは自然に感情を出せるようになります。
恥ずかしがって声が出ないお子さんの場合、
ご父兄の適切なお声がけで、もっと気持ちを込めて読んでみようかなと思ってくれたらよいですね。
※応用編
気持ちのバリエーションを増やす為には、キャラクターの気持ちや、貴方だったらどう思う?
等の質問をしてあげるのも効果的です。
「もし大好きなお菓子を取られたら?」「もし友達が泣いていたら?」
こんなシチュエーションを親子や先生と一緒に考えて、声や表情で演じてみます。
遊び感覚で行えるので、楽しみながら感情が育ちます。
カードゲームにして、何をやっていたかをあてっこするのも面白いです。
「楽しい」「悲しい」「驚いた」などの感情を、言葉を使わず表情と体の動きだけで表現します。
見ている人が「いまのは怒ってる!」と当てる形式にすると、子どもは大盛り上がりしながら自然に感情表現を身につけられます。
※カードで感情当てっこゲーム
1 ソフトクリームを地面に落としたら?
2 冷蔵庫を開けたら、おやつがなくなっていたら?
3 大好きなおもちゃを壊されたら?
1か月で「声を出すこと・感情を見せることが楽しい!」という土台を作れます。
3か月で「自分の気持ちを声や体で伝える」力が育ち、オーディションや舞台でも物怖じせず表現できるようになります。
ここでは具体的に中学1年生が行った練習を動画でご紹介します。
感情に無理やりアプローチして怒ろうとは決してしないでください。
あくまで、怒った過去の、その時の感覚を五感を使って思い出す作業をしました。
色鉛筆を使って絵にかいてみる
聞こえた耳からに情報を思いだす
身体の感覚を主出す
等丁寧に行い、その感覚を思い出すうえで、怒りに移行していきました。
子どもが泣けない・怒れないのは特別なことではありません。
大切なのは「表現してもいいんだ」という安心感と、楽しく続けられる工夫です。
遊びの中で感情を解放する習慣が、オーディションや舞台での大きな武器になります。
まずは日常の中で「感情を声と体で表す」機会を少しずつ増やしていきましょう。