「もっと自然に泣けるようになりたい」「感情がこもらず台本を読んでしまう」――声優やタレントを目指す方の多くが抱える悩みです。 感情表現で伸び悩んでいる俳優志望者の皆さん!
感情表現は才能ではなく、正しいトレーニングで誰でも磨けるスキルです。
本記事では、演技のプロコーチとして、
第一弾:初心者〜経験者別、
第二弾:中学生・高校生・一般大人別、
第三弾:中高年(アクティブシニア)向けに分けた具体的な練習メニューを紹介します。
オーディション・収録・舞台で「泣けない」「怒れない」「感情が薄い」と悩む方にすぐ実践できる内容です。
はじめに:共通の準備と注意点
安全なウォームアップを必ず行う
声や体を使うトレーニングの前には、首・肩・顎・呼吸の軽いストレッチと、リップトリルやハミングなどの発声ウォームアップを3〜5分行ってください。
急に強い感情を出すと身体や声帯に負担がかかります。
自己チェックと録音で客観視する
練習は必ず録音(可能なら録画)して、自分の声質・抑揚・テンポ・感情の立ち上がりを客観的に確認しましょう。毎回の記録で変化が見えます。
当スタジオのオンライン演技クラスでも録音や録画は多用しています。
受講者の皆さんから、自分の演技を客観的に見ることが出来るようになったとコメントもいただいています。
驚きと発見が或る思います。
是非自己チェックしてみてください。
① レベル別トレーニング:初心者 → 経験者
初心者(演技経験ほぼゼロ) -- 基礎の身体・声・イメージ連携
- 鏡ワーク(3分):鏡の前で笑顔・怒り・悲しみを連続で作る。声は小さくてもよいので、表情→呼吸→声の順で意識。
- 30秒切替ドリル:短いセリフ(例:「行かないで」「ありがとう」)を30秒ごとに感情を切り替えて言う。慣れたら速度を上げる。
- 感情カードゲーム:感情の名前を書いたカードを引き、その感情の「体の使い方」を30秒で表現する(遊び感覚で継続しやすい)。
中級(基本ができるが表現が薄い) -- トリガーと即応力の強化
- 感情トリガーボックス:音楽・写真・匂い(精油)など感情を喚起する素材を箱に入れておき、ランダムに引いて即興で1分間の場面を作る。
- ワンフレーズ多感情ドリル:同じ短いフレーズを5種類の感情で10〜20秒ずつ演じ、感情の輪郭(立ち上がり→ピーク→フェード)を作る。
- 反応強化ペアワーク:相手の一言に即反応する練習。反射的に「受ける」訓練が感情の自然な発生を促す。
上級(演技経験あり) -- 深さと瞬発力を同時に磨く
- サブスティテューション(置換法):台詞の相手を自分が強く感じた実際の人物に置き換えて演じる。ただし過去の辛い記憶を無理に使わないこと。
- 30秒・3分・10分スイッチ:短い瞬発(30秒)→中長(3分)→長尺(10分)で感情の持続力と変化を練習。
- 録音即改修ループ:自分の演技を録音→3箇所改善し再録音→比較を繰り返す(技術的改善を習慣化)。
② 年齢別メニュー:中学生・高校生・一般大人
中学生向け(心と体の成長期に配慮)
- 短時間の反復練習:集中力が続くよう1セッションは15〜25分。感情ワークは5分〜10分に区切る。
- 物語即興ワーク:短い絵カードを用意し、カードから受けた印象だけで即興シーンを作る。想像力を刺激し、感情を自然に引き出す。
- ポジティブ強化:成功体験を褒めるフィードバックを必ず入れ、自信を育てる。
高校生・受験生向け(技術と再現性を重視)
- 感情ストックノート:日常の小さな感情体験を短くメモし、試験で引き出せる材料を蓄える。
- オーディション想定リハーサル:制限時間・立ち位置・カメラ目線の有無を想定して練習する。現場の制約下で即座に感情を起こす力を鍛える。
- 呼吸制御と声の着地:台詞の最後で声を安定させる練習。感情のピークで声が割れないように調整する。
一般大人(仕事や生活と両立させるメニュー)
- 5分メイクワーク:朝の5分で鏡前ワーク(表情・小セリフ)。継続が力になる。
- ワンポイント録音:週3回、スマホで短い台詞を録音してチェック。忙しくても改善が続けられる。
- 感情のラベリング練習:感情を言語化する習慣(「私は今、苦しい」「今、嬉しい」など)で表現の精度を上げる。
③ 中高年・アクティブシニア向けメニュー(身体と経験を活かす)
身体の柔軟性と声の維持を重視
- 優しいストレッチ+発声(10分):首・肩・胸をほぐしてから、ハミング→ロングトーンで声帯を温める。
- 経験を語るワーク:自分の人生の短いエピソードを取り出し、感情の起伏をゆっくり言葉にしてから演じる。人生経験は大きな武器。
- ゆっくり感情の拡大縮小:感情の強さを0〜10で段階的にコントロールする練習。幅を持たせることで画面や舞台での説得力が増す。
安全に深めるための注意点
中高年の方は身体的負担や声帯のケアが重要です。強い感情を出す前後は必ずゆっくりとした呼吸でクールダウンし、水分補給を心がけてください。
タレント・声優志望者が身につけるべき感情表現トレーニング
タレントや声優を目指す方にとって「感情を自由に表現できる力」は必須です。
声だけで感情を届ける声優も、舞台や映像で存在感を示す役者も、表現の基盤は同じ。
ここでは初心者から経験者まで、さらに年齢層別に取り組める具体的な練習法を紹介します。
レベル別・年齢別トレーニングの提案
① 初心者から経験者向け
- 初心者:「日常の感情を言葉にする」練習。
喜怒哀楽を一言で声に出す。例:「うれしい!」「悲しい...」
- 経験者:台本のないシーン即興。
与えられた状況(例:電車に遅れた、財布を落とした)を感情で表現。
② 中学生・高校生・一般大人向け
- 中高生:感情日記を毎日3行書く。
その日の感情を言語化し、翌日それを声で演じてみる。
- 大学生・一般:朗読+感情変換。
台本や詩を「怒り」「喜び」「哀しみ」など別の感情で読み替える。
③ 中高年・アクティブシニア向け
- 体を動かす表現:ウォーキングに感情をのせる。
悲しい歩き方・誇らしい歩き方を演じる。
- 声の健康維持:呼吸法+発声練習を毎日5分。
喉の負担を減らしながら声量と感情表現を鍛える。
1か月・3か月のトレーニングプラン
◆ 1か月プラン(基礎固め)
- 週1〜2回:感情日記&声に出す(初心者〜中高生に効果大)
- 週1回:朗読練習(大人・経験者向け)
- 毎日5分:呼吸法+発声(全世代に必須)
1か月で「感情を声に乗せる習慣」がつき、緊張せず表現できる土台を作れます。
◆ 3か月プラン(実践力強化)
- 1か月目:感情日記+発声基礎(習慣化)
- 2か月目:即興演技や朗読に「感情変換」を加える
- 3か月目:短い台本を録音・録画し、セルフチェックと改善
3か月で「感情を自在に操れる」表現力が育ち、オーディションや舞台で即戦力になる実力がつきます。
応用の練習方法
演技初心者向け~感情表現が苦手!この方法で【怒り】の表現ができた!
まとめ:継続と「客観的フィードバック」がカギ
感情表現は「才能」ではなく「技術」です。毎日の短い習慣(鏡ワーク、録音、感情ストック)と、定期的な客観フィードバック(録音・師匠や仲間のレビュー)を組み合わせることで、確実に力は伸びます。
声と感情はあなたの最大の武器になる
タレントや声優を志すなら、技術だけでなく「感情を解き放つ力」が求められます。
年齢やレベルに応じたプランを実践し、1か月、3か月と継続することで、確実に表現の幅が広がります。今こそ、自分の声と心を磨く第一歩を踏み出しましょう。
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「もっと自由に表現したい」「舞台や声優の夢に一歩近づきたい」――そんなあなたをサポートします。

この記事を書いた人

IZUMI(玉置いづみ)
【IZMIC Be STUDIO】主宰
日本大学芸術学部演劇学科演劇コース卒業
元(㈱)アミューズでの新人育成講師
演技・ダンス・体幹トレーニングと幅広く指導に当たっている
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